【熱産ヒート株式会社様】
Panacea導入事例
北九州市の熱産ヒート株式会社は、ヒーター、各種熱処理炉等、機器設計から製作、施工、保守点検まで、熱処理技術のプロフェッショナルとして事業を展開されています。今回、弊社のPanaceaを導入いただき、新たな取り組みがスタートしています。川口社長と技術担当のM様にお話を伺いました。
── 今回の導入に至る背景や、課題を教えてください。
川口社長:「予熱・焼鈍と言った現地熱処理工事に係る業務が、電気事業法に規定された法定作業となり、作業員目視による長時間に亘る温度監視と記録が義務付けられています。また、電力需要が下がる業界閑散期にこれら工事の発注が集中するため、多現場対応、特定の専任作業員への負荷集中、長時間労働が大きな課題となっていました。」
── 働き方改革の視点でもありますね
川口社長:「はい。温度監視は温度が規定値よりずれそうなときに高周波加熱装置を調整するために行いますが、調整は熟練者が高周波加熱時に発生する高調音を聞き取り、配管材料別に周波数を適切な値に調整することにより実施しています。作業者誰でも実施できる作業ではなく、熟練者でないと正確な温度調整は困難であり、熟練者への負荷が集中していました。熟練者が調整していますが、温度調整が職人技的で調整ノウハウが定量化出来ておらず自動化されていませんでした。」
担当M様:「当社の高周波誘導加熱装置への機能追加の課題でもありました。産業機器の周波数自動調整は一般的には、整合(マッチング)とよばれ整合用電気回路により行われますが、整合回路を設計するための負荷変動(被加熱体の状態、誘導コイルの設置状態)に対する基礎データがありませんでした。」
担当M様:「熱処理工程で最も起こってはならない故障による温度制御中断は、製品の品質の低下を引起します。作業者の経験・技能にたよる周波数制御は、整合が取れていないことによる、電気回路上のデバイスの劣化を加速させてしまいます。これらの課題を見える化することにより、品質、コスト、納期において最も有効性が高い予知保全を行い、収集したデータから周波数自動調整機能(整合回路)の仕様を導き出すことを目的としました。」
── ここで見える化が必要となったということですね
担当M様:「デジタル化されたデータを蓄積・集約し、熱処理作業中の温度トレース及び装置状態の監視を目視常時監視から自動監視及び遠隔操作を実現するためにPanaceaを導入し、Webサーバーによる遠隔自動監視・操作システムの構築を行いました。この施策で得たいものは、作業の標準化、省力化、装置の正常性診断(予知保全)、周波数自動調整による装置の延命化です。これらが得られた装置は、価値の高い装置として認識されることが期待できます。」
── Panaceaを選定いただいた理由をお聞かせください
担当M様:「SCADAを用いていることが第一条件でした。またPanaceaは、Webベースである事が決め手でした。」
── ありがとうございます
担当M様:「サポート体制や、技術担当の対応にも信頼が置けました。」
── Panacea導入にあたってのご感想をお聞かせください
担当M様:「Panaceaを弊社の製品と共に展開する実用評価はこれからとなります。 しかし、Panacea導入プロセスでは、当方の知識不足もあり仕様について見直しを幾度となく依頼しましたが、適切な対応をしていただき大変助かりました。」
弊社開発担当者のコメント
「本件はお客様の製品と組み合わせてPanaceaを活用する事例となりました。まずは、お客様の製品が提供する『焼鈍加熱』を理解するところからスタートし、これに特化したトレンドグラフによる見える化機能を専用に開発いたしました。お客様もPanacea活用の効果をよく理解されており、協力してご満足いただける機能開発ができたと思います。 今後は、お客様製品のオプションとして展開していただけることを期待しています。」
商号 | 熱産ヒート株式会社 |
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創立 | 1975年(昭和50年)3月11日 |
本社 | 福岡県北九州市戸畑区牧山海岸3番56号 |
事業内容 |
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URL | https://www.nessan.co.jp/ https://www.jirei-nh.com/ |